診療ご案内
Clinic outline
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乳児の股関節はまだ骨が発達していないのでレントゲンでは映りません。明らかに脱臼している場合はレントゲンで分かりますが、わずかにずれているような場合は、はっきりとは分からず曖昧になってしまいます。
エコーではレントゲンでは映らない大腿骨頭が描出されるため先天性股関節脱臼の検査には利点があります。
乳幼児股関節検診は「お電話にて予約を受付」ております。お気軽にお電話ください。
生下時または生下後に股関節が脱臼、亜脱臼している状態を指します。生まれた時に、はずれているかいないかではなく、徐々にはずれていく可能性のある疾患である為、発育性股関節形成不全DDHが正しい名称です。放置すると成長が障害され、変形や長期的な機能障害につながる恐れもあります。
出生時の指導や検診の普及により、1970年代に比べて股関節脱臼の頻度が激減し(1000人に1人)まれな疾患になりましたが、疾患の減少とともに関心が薄れ、近年では診断が遅延して歩行開始後に股関節脱臼と診断され治療に難渋する例が見られるようになっています。
股関節脱臼は発見が早ければ装具治療で後遺症なく成長することができますが、発見が遅い場合は入院・手術が必要であったり、歩行の後遺症が生じてしまいます。
先天性股関節脱臼の
早期発見と予防
「先天性股関節脱臼」の発生は1000人に1~3人程度でまれな病気ですが、生まれてからの抱き方や衣服など、赤ちゃんの扱い方を注意することにより発生をさらに減少させ、悪化を防止することができます。
以下の1)~5)のうち、複数の項目があてはまる場合はとくに正しい扱い方を心がけ、必ず3~4か月の健診を受けるようにしましょう。
5つのチェック項目
股関節脱臼一次健診
小児科での3~4か月健診で股関節のチェックを行います。この一次健診で股関節脱臼などが疑わしい場合に、整形外科へ「乳児股関節二次検診」受診の紹介をされ、エコー検査などで詳しくチェックします。
乳児股関節二次検診への紹介基準
小児股関節エコー検査方法には「Graf法」「前法」2つの方法があります。
当院ではこの特殊なプローブを導入し、Graf法と前方法両者を行っています。
Graf法は1980年オーストリアのGraf先生が開発されたエコー検査方法です。
赤ちゃんを完全側臥位にし骨盤に平衡にプローブを当てることによって再現性の高い画像が得られます。
検査結果をタイプ分類でき、その分類と治療法が直結している便利な方法です。
一般的に広く普及していますが、その手技と撮像の評価には少しのトレーニングと経験が必要になります。
前方法とは赤ちゃんを仰向けに寝かせて検査をするため体位の保持が容易で、比較的短時間で検査を終えることが可能です。
また両側の股関節を同時に撮影ができるため、左右差を一度に比較することが可能です。
ただし特殊なプローブが必要なためこの検査法を行なう施設は少なく一般的に普及していません。